コンピュータメモリとは

コンピュータメモリ (RAM) は、コンピュータが機能するために欠かせないものです。RAM により、プロセッサとプラマリストレージ (ソリッドスレートドライブ/ハードディスクドライブ) 間でデータが一時的保持されます。RAM は、ランダムアクセスメモリの略語で、現在最も普及している形式は DRAM (ダイナミックランダムアクセスメモリ) です。このメモリは揮発性のため、データを保持するために電力が必要です。

現在のコンピューターは、メモリモジュールを介してコンピューターのマザーボードに接続する SDRAM (シンクロナス DRAM) を使用しています。メモリモジュールは産業標準のフォームファクターで、PC やノートパソコンで最も一般的なのは DIMM（デュアルインラインメモリモジュール）または SODIMM（スモールアウトライン DIMM）です。SDRAM は、1990 年代後半に PC に導入され、2000 年にクロック サイクルあたりのデータ転送数が 2 倍処理できる DDR (ダブルデータレート) SDRAM の出現により大幅にパフォーマンスが向上しました。これ以降、DDR SDRAM は、より高速なパフォーマンス、広い帯域幅、より大きな容量を提供するために大幅に進化してます。これらは、少ない使用電力でエネルギーコストを削減し、ノートパソコンのバッテリー寿命を延長し、熱の発生を抑えることができます。最新のバージョンは、第 5 世代の DDR5 SDRAM で短縮して「DDR5」と呼ばれています。メモリを購入する際、ほとんどのベンダーが「SDRAM」という用語を使用せず、単に DDR5 と速度定格を指定していることに気づくでしょう。すべての以前のバージョンと同様に、DDR5 は、4800MT/秒 または DDR5-4800 から始まる業界標準速度で提供されます。「MT/秒」は「メガトランスファー/秒」を意味し、メモリモジュール間のデータ転送速度を示します。長年にわたり、「MHz」(メガヘルツ) は、メモリ速度を示すために使用されていました。しかし、DDR には適していない表現です。DDR では、メモリ速度は 1 秒あたりのサイクル数ではなく、1 秒あたりの転送数で評価されるためです。

メモリの業界標準化団体は、約 7 年ごとに新しい世代の DDR を導入し、各世代の中で、将来のコンピューターに必要とされると想像できるすべての速度向上、密度、および構成を計画しています。例えば、最新世代の DDR は、2133、2400、2666、2933、3200MT/秒 の速度範囲に対応しています。DDR5 は、4800MT/秒 から始まり、5200、5600、6000、および 6400MT/秒 まで増やすことができます。初期の計画段階では、DDR5 の仕様は、6800、7200、7600、8000、8400、および 8800MT/秒 の範囲で拡張されていました。インテルと AMD は、毎年新しいチップとプロセッサの世代をリリースしており、次の標準メモリ速度を提供しています。DDR5 の場合、大手プロセッサメーカーの開発競争により、サポートされるメモリ速度が飛躍的に向上し、DDR5 はこれまでで最も急速に進化しているメモリ技術の 1 つになりました。

メモリ世代間の重要な違いの 1 つは、後方互換性がないことです。DDR5 メモリモジュールは、DDR4 や DDR3 メモリソケットには物理的に取り付けられません。見た目は似ていますが、モジュールの底にある切り欠きがキーの役割を果たし、互換性のあるソケットにのみ適合します。しかし、メモリの世代内では、より高速なメモリは常に下位互換性があります。例えば、標準的な DDR5-5600 モジュールを購入し、第 12 世代インテルプロセッサで使用する場合、メモリは自動的に「クロックダウン」し、DDR5-4800MT/s で動作することでインテルプロセッサの制限に対応します。

コンピュータメモリが重要な理由

人間と同じように、コンピュータには 2 つの種類の記憶があります。人間の短期記憶は、RAM の仕組みに似ています。RAM は情報と詳細を保持して、タスクをすぐに完了させます。コンピューターに RAM がなければ、プロセッサは長期記憶のようなストレージに頼ることになり、速度が大幅に遅くなります。

コンピュータが起動すると、オペレーティングシステム (Windows、macOS、Linux など) がストレージから取得され、RAM やバックグラウンドアプリケーションに読み込まれます。RAM の容量が増えるということは、コンピューターがこの高速アクセスデータを保存できる容量が増えるということであり、より多くのアプリケーションを実行したり、より多くのファイルを同時に開いたりできるようになります。RAM は最先端の SSD のストレージよりアクセス速度が格段に高速で、コンピュータの最も重要なコンポーネントになっています。

コンピュータメモリの特徴

• 半導体ベース
• ストレージより高速
• コンピュータの動作に不可欠
• 揮発性

メモリの用語

DRAM:ダイナミックランダムアクセスメモリ。トランジスタとコンデンサの組み合わせでデータを保存します。データの保存にコンデンサを使用するため、このタイプのメモリはデータの整合性を維持するために頻繁に更新する必要があります。これにより、このメモリはダイナミックと呼ばれます。

SDRAM:シンクロナス DRAM。プロセッサから独立して動作するのではなく、メモリモジュールの応答とシステムクロックを同期するメモリです。

DDR:ダブルデータレート SDRAM。クロックサイクルの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方で動作し、パフォーマンスが大幅に向上します。

DDR2 / DDR3 / DDR4 / DDR5:DDR SDRAM 技術の継続世代。速度と帯域幅を向上させ、電力要件を削減します。データ整合性と効率性の向上も新たな世代に設計されています。

ECC:エラー訂正符号は、追加の DRAM コンポーネントを備えたメモリ モジュールによって有効になるプロセッサ/チップセットの機能です。ECC 破損したデータを修正し、データ喪失やシステムのフリーズやクラッシュを防ぎます。

仮想メモリとは

すべてのデータやアプリケーションが起動している状態に保つための RAM 容量が不足している場合、オペレーティングシステム (OS) はストレージにスペースを作成し、一時的に RAM をバッファします。ストレージは、RAM よりはるかに読み取り/書き込み速度が遅くなるため、仮想メモリを使用すると生産性が低下する可能性があります。OS が非アクティブなデータを仮想メモリに移動して、アクティブなプロセス用にメモリ容量を解放することは一般的です。一方で、ハードウェアの需要は年々増加しているため、想定よりも多くのメモリ容量をコンピュータに割り当てることが推奨されます。

メモリの選び方

お使いの PC やノートパソコンにどのメモリテクノロジーや速度を使用するかを決める際には、プロセッサとマザーボードに尽きます。コンピュータのメーカーとモデルがわかれば、プロセッサと互換性のあるメモリ技術や、マザーボードのメモリソケット構成を理解することができます。多くのコンピュータは、最適なパフォーマンスを保つために同じ組み合わせのメモリモジュールを使用するよ設計されており、サポートされるタイプや容量にルールがあります。

互換性のあるメモリを見つけることは簡単ではありません。もし、技術的な知識があまりない場合は、より難しく感じるでしょう。Kingston’s Product Finder を使用すると、お使いのコンピュータに適したメモリソリューションを簡単に見つけることができます。お使いのシステムのメーカーとモデルを検索すると、適切なメモリ技術とアップグレード方法が見つかります。モデル番号の検索にサポートが必要な場合、Dell、Lenovo、Acer、HP の PC のモデル番号と互換性のあるメモリについては以下のガイドを参照してください。