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テーブル上でラップトップの隣にあるSATAおよびM.2 SSD。

NANDフラッシュテクノロジーおよびソリッドステートドライブ (SSD)

USBフラッシュドライブまたはSDカードをお持ちの場合、NANDフラッシュと呼ばれるフラッシュメモリがすでに組み込まれています。過去5年間、NANDフラッシュの消費量は世界で爆発的に増えており、SSDなどの新製品はノートブックやデスクトップからワークステーションにいたるまで、企業向けデバイスに深く浸透しています。

以下、NANDフラッシュメモリについて手短に紹介します。


不揮発性NANDフラッシュメモリ

NANDフラッシュの利点の一つは、データのストレージが不揮発性であるということです。データ保持に電源の継続供給を必要とするDRAMメモリとは異なり、NANDメモリは電源を切った後もデータを保持するため、携帯デバイス用のストレージとして最適です。


M.2とmSATA SSD
NANDフラッシュの種類

現在、NANDフラッシュメモリには5種類あり、それぞれの違いはセルに保存可能なビット数です。各セルにデータが保存されます: SLC NAND (セルあたり1ビット)、MLC (セルあたり2ビット)、TLC (セルあたり3ビット)、QLC (セルあたり4ビット)、PLC (セルあたり5ビット)です。したがってSLC NANDはそれぞれのセルに「0」または「1」を保存し、MLC NAND は「00」、「01」、「10」、「11」などのようになります。これら5種類のNANDは価格に応じてパフォーマンスと耐久性のレベルが異なります。NAND市場で最もパフォーマンスと価格が高いのがSLCです。 NANDの種類の違いについてはこちら

3D NAND

3D NANDには縦に重なったメモリセルのレイヤーが複数あり、レイヤー間で相互接続されています。複数のメモリセルのレイヤーを縦に重ねることでストレージ容量が増大し、占有面積が小さく済むほか、メモリセル間の接続が全体的に短くなるのでパフォーマンスが向上します。
しかも2D NANDと比較してバイトあたりのコストが下がります。3D NANDフラッシュデバイスはMLC、TLC、QLCの設計を流用できます。

サーバーキャディー内のSATA SSDがサーバーストレージベイから半分引き出された状態
NANDセルのウェアレベリング

NANDセルには寿命があります。
DRAMとは異なり、NANDセルの場合、読み取りサイクルよりも書き込みサイクルに負荷がかかるので消耗が速くなります。NANDストレージデバイスの書き込みサイクル数には制限がありますが、デバイスに常駐するフラッシュコントローラがウェアレベリングを実行し、セルの消耗を軽減します。USBフラッシュデバイス、SDカード、SSDにはすべてNANDコントローラが搭載されており、NANDフラッシュを管理しながらウェアレベリングやエラー補正などの機能を実行します。

NANDストレージデバイスの寿命を延ばすため、NANDフラッシュコントローラは書き込まれたデータをデバイス内の物理ブロックへ均等に分散することで、NANDの特定の部分が集中的に消耗しないようにします。


ソリッドステートドライブ (SSD)

NANDフラッシュの価格は過去数年にわたって下がり続けており、クライアントシステムやサーバーでソリッドステートドライブなどのストレージデバイスを主要ストレージとして使えるようになりました。SSDは、コンピュータのSATAやSASハードディスク (またはディスク回転型標準ハードドライブ) にとって代わるものです。

SSDは標準ハードディスクよりもパフォーマンスと耐久性が著しく優れています。SSDは、可動部品を一切持たない半導体デバイスです。
そのためハードドライブのような機械的遅延がなく、可動部品もないため、ハードドライブよりも衝撃や振動に強く、ポータブルやモバイルのさまざまな用途に理想的です。

かつては、ソリッドステートドライブはDRAMメモリチップを使用して設計されていたため高価で、高負荷のサーバーに用途が限られていました。

今ではNANDフラッシュの価格が下がっており、SSDがコンシューマー、エンタープライズ、軍事用コンピューティングにいたるまで広範な用途で使用されています。

サーバーキャディー内のU.2 SSDがサーバーストレージベイから半分引き出された状態
SSDの耐久性

KingstonはSSDのワークロード向け耐久性グレードのNANDフラッシュメモリを使用しています。このため、KingstonはさまざまなアプリケーションのSSDを低価格で提供できます。

KingstonのクライアントSSDとエンタープライズSSDは、必要なワークロードに合わせた耐久性グレードを製品寿命にわたって確保します。KingstonのクライアントSSDはTBW (テラバイト書き込み) 仕様となっており、ユーザーがアプリケーションでの実効寿命を予測できます。

KingstonのエンタープライズSSDはTBW仕様に加え、TBWとSSDの保証期間に基づくDWPD (1日あたりのドライブ書き込み) 仕様となっています。
例えば、耐久性グレードが1DWPDの1TB SSDは、ユーザーがSSDに1日あたり1TBのデータを5年間書き込めることを意味します。TBW/DWPD仕様は、ITインフラ計画の一環としてエンタープライズ環境にKingston SSDを実装する企業顧客に向けたツールです。

Kingstonは、「KSM」(Kingston Storage Manager) と呼ばれる、SSDの寿命を追跡するソフトウェアユーティリティを提供します。
ユーザーはSSDの状態を定期的に検査できるので、自動車の燃料計に例えることができます。

SSDのパフォーマンス

クライアントシステムのほとんどでパフォーマンスを制限する要素は、もはやプロセッサではありません。
制限はほぼ必ず、ストレージが原因です。ハードドライブは数ミリ秒のアクセス遅延がありますが、SSDなら1/100ミリ秒で動作できます。

SSDなら、2~3年使い続けたシステムでもパフォーマンスを大幅に改善してシステムを蘇らせてくれます (SATA対応インターフェースが搭載されている場合)。Windows®ベースのシステムであれば起動時間を数分から1分以内へ短縮できるため、SSDはストレージのパフォーマンスアップグレードとして機能します。概して、SSDはいかなるシステムアップグレードであれ、パフォーマンスを最大限に改善します。

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